翻訳の限界~君の名は。をスペインの映画館で見た感想~
こんにちは!
日本で以前すごい人気になった『君の名は』ですが、こちらスペインでも絶大な人気があります。
というのも、ここスペイン、違法アップロードが盛んなんですよね・・・
誰でも気軽にネットで無料で(違法です)映画やアニメを見ることができるんですが、
特にここスペインは違法アップロードがお盛んなこと・・・
いくつもの違法サイトが運営され、スペイン語の字幕がついて、どんなアニメも見ることができますw悲しきw
しかし、私は映画館へ見に行きました。
君の名は
どんな映画なのかというと
監督/新海誠
作画監督/安藤雅司
キャラクターデザイン/田中将賀
【声の出演】
神木隆之介
上白石萌音
【あらすじ】
新作映画『君の名は。』は、現代の日本を舞台にした、少年と少女の物語です。少女・三葉(みつは)は山深い田舎に暮らしていて、少年・瀧(たき)は東京都心の高校生。面識のないはずの彼らが、ある日互いの夢を見ます。それもものすごく具体的に、相手の生活そのものを体験する夢です。その夢に隠された秘密はいったいなんなのか?
スペインでの人気
最近スペインで、上映が始まった君も名は。ですが、それよりも以前にすでに話題になっており、日本で話題になった際にネットにアップされていたので、多くの人が既に見ていたというwスペインで映画になる前は見たことある??と友人間でよく話題になるほどでした。
なので、スペインで、上映が決まった時はほんとみんな喜んで上映日を今か今かと待ちわびていましたね♪
私は幾度となく友人に
君の名は。が上映したら見に行こうね!!と言われたことか。
そこまでの熱狂的なファンがいるので、
多くの人が、映画館で観たいということで、
以前見たことがあっても、
2度目3度目と見に行く人が多いようです。
私の友人は4回映画館に行ったそうです・・・ちょっとヲタク度が高くて引きました・・・wしかも毎回泣いてるらしい(笑)
実際に映画館に行ってみた
そんな私も、以前日本で見ていたので、今回友人と映画館に見に行ってみました。
場所はPlaza de España駅の近くRenoir Plaza de Españaという映画館
ネットでチケットを買って、入り口で購入画面を見せてスムーズに入店
ここは小さい映画館なので、ポップコーンなどの飲食物が全く売っておらず、シアターだけっていう内装。
多くのスペインの小さな映画館はこういった形なので、映画を見る時にポップコーンを食べたい私はがっかり・・
客層はカップルが大半を占めていて、少数の見るからにアニメ大好き!!な人たちという感じでした。
残念なことに、私はその少数の人達の隣。
というのも、隣でガンガンネタバレするんですよねw
友人と見に行ったんですが、その友人まさかのその人たちの脇腹を無言でどついてましたwそれから静かにみることができたので、結果はよし。
映画館でネタバレするひとはほんとに嫌ですよね・・・
よくやった友人よ。
そんな友人も泣いていましたけどw
翻訳の限界
吹き替えではなく、スペイン語字幕で上映されているので、日本人の私はもちろん100%理解ができるんですが、
スペイン人にはどうなのかと疑問が多く残ります。
というのも、君の名は。は田舎と都会の若者の体が入れ替わるというお話。
もちろんのこと、田舎暮らしのヒロインは方言を使っていますので、イントネーションの違い・訛りがあるので、その都度私たちは、表現の微妙なニュアンスを感じ取れることができ、主人公・ヒロインの心情の微妙な変化を汲み取れますが、スペイン語で翻訳するとすべてが、そのままの直訳になり、なんだかそっけない印象に。
また、日本語の表現の多様性・類義語の多さ外国語にしたときに翻訳の困難さがあるなーと思います。
というのも、言語を翻訳する際には、その言葉を話している文化・習慣を理解しなければならないと思います。
私たちは翻訳と聞くと、言葉をそのまま外国語に変える。というワンパターンの方法を考えがちですが、その場合、細かなニュアンスや心情などが伝わらないことが多いと思います。
例えば、君の名は。での入れ替わった際、友人達との屋上でのワンシーン
ヒロインが主人公の体に初めて入れ替わった際に友人との会話のシーンです。
主人公「私のバイト先はどこかな・・・?」
友人「私?!」
主人公「え、・・わたくし?」
友人「わたくし?!」
主人公「・・僕??」
友人「僕?!」
主人公「俺??」
友人「おー。うん」
という日本のよくある一人称をどれを使うかというよくある話ですが。
英語・スペイン語どれでもいいので、外国語に翻訳してみてください。
どうですか??思いつきますか?俺・僕・私
そうです。英語では、I スペイン語では、Yo
外国語ですべて一つしかありません。つまり言語と文化は密接な関係であるので、言語の中にも文化が潜んでいるのです。
ちなみに日本語で私という単語いくつ思いつくでしょうか?
使われていないものも含めると74個です。使う場所・状況・相手によって言葉を使い分ける日本語の文化的特徴が言語に表れていますよね!
ちなみに上記のワンシーン。
字幕スペイン語で見ていたんですが、
すべてYO(私)と翻訳されていました。
つまり
主人公「私のバイト先はどこかな・・・?」
友人「Yo(私)?!」
主人公「え、・・Yo(私)?」
友人「Yo(私)?!」
主人公「・・Yo(私)??」
友人「Yo(私)?!」
主人公「Yo(私)??」
友人「おー。うん」
何が面白いんですか??(笑)
日本の文化を理解してない人が見たら何のことかさっぱりでしょうね。w
幸いこのシーンで笑っている人がいたので、きっと日本の文化を少なからず理解している人がいたんだろうと・・・( ^ω^)
まとめ
日本のアニメが世界中で人気になり、私たちのものを他の国の人が見るという機会に触れ始めましたが、アメリカ映画など私たちが日ごろ翻訳されてみているものも、文化的背景などが絡んでおり、気が付かないところで、実は上記のような認識錯誤が起きているのかもしれませんね。多くの方が、言語だけを勉強と認識しがちですが、外国語を勉強するということは、その国の文化・慣習・歴史を学んでこそ外国語を勉強するということだと改めて思いました。
皆さんも海外のものに触れる際は、海外の文化的側面に立って考えてみるのも理解に深みが出ていいかもしれませんよ。